「塗装」と聞くと、色を付けたり、錆から守ったりといった目的を思い浮かべるかもしれません。しかし、現代の工業塗装はそれだけにとどまりません。
製品に高級感や特殊なデザインを与える「意匠性」、摩耗やアレルギーを防ぐ「機能性」、暗闇や災害時に役立つ「安全性」など、塗装は目的応じて様々な価値を創造します。
このページでは、【目的別】に分類した塗装の種類を一覧でご紹介します。貴社の製品開発や課題解決に役立つ塗装技術を見つけるための、入り口としてご活用ください。
製品の機能だけでなく、見た目の美しさやデザイン性で価値を高めるのが意匠塗装です。色や光沢、手触りなどを工夫することで、他社製品との差別化や、ブランドイメージの向上に貢献します。
次のページでは、メタリック塗装やマット塗装といった代表的な手法や、デザイン性を高めるためのポイントを詳しく解説しています。
空間やモノに、特定の時代設定やストーリー性を与えるアーティスティックな塗装技術です。新品の素材を、まるで長年使い込んだかのようなアンティーク調に仕上げたり(エイジング塗装)、コンクリートを岩肌に見せたりと、多彩な表現が可能です。
次のページでは、テーマパークや店舗内装などで、独自の世界観を創り出すための具体的な手法を紹介しています。
電子部品や医療機器など、ハイテク製品の性能を左右する機能性コーティング技術です。数ミクロン単位という極めて薄い塗膜を、高い精度で均一に形成し、絶縁性や潤滑性といった特殊な機能を与えます。
次のページでは、日本のものづくりを支える精密塗装の役割や、分野別の用途について解説しています。
製品の価値を格段に引き上げる「高級感」。塗装における高級感は、色の深み、光沢の質、表面の滑らかさといった要素が、高いレベルで組み合わさることで生まれます。
次のページでは、ピアノのような鏡面仕上げや、品格のあるマット塗装など、高級感を演出するための代表的な手法と、その実現に不可欠な要素を解説します。
機械の摺動部など、モノとモノが擦れ合う部分で発生する「摩耗」を防ぐための機能性塗装です。部品の損耗を抑えることで、機械や設備の精度を維持し、長寿命化に直接貢献します。
次のページでは、フッ素樹脂やセラミックといった塗膜の特性を活かした耐摩耗塗装の種類と、用途に応じた選び方のポイントを紹介しています。
アクセサリーや腕時計など、金属製品が原因で起こるアレルギー反応を防ぐためのコーティング技術です。アレルギーの原因となる金属イオンが肌に触れないよう、安全な塗膜でバリアを作ります。
次のページでは、金属アレルギーが起こる仕組みから、セラミックやチタンなどを用いた具体的な対策コーティングの種類まで、詳しく解説しています。
太陽光や蛍光灯の光を蓄え、暗闇で自然に光を放つ塗装です。停電時などの電源が絶たれた状況でも、避難経路や危険箇所を示し、安全を確保する役割を果たします。
次のページでは、夜光塗装が光る仕組みや、防災・ホビーといった主な用途、そして発光性能を最大限に引き出すためのポイントを解説しています。
橋やプラントなど、社会インフラを支える金属構造物を、錆(さび)や腐食から守るための塗装です。金属が本来持つ強度や機能を、過酷な環境下で長期間にわたり維持します。
次のページでは、腐食が起こるメカニズムから、環境に応じた防食塗料の種類や、塗装の耐久性を左右する重要なポイントまでを解説しています。
暗闇で光る「蓄光」機能と、強靭な塗膜を形成する「パウダー塗装(粉体塗装)」を組み合わせた技術です。傷や衝撃、紫外線に強く、屋外の過酷な環境でも蓄光機能を長く維持できるのが大きな特徴です。
次のページでは、液体塗料にはないメリットや、高耐久性を活かした用途、パウダー塗装ならではの注意点などを詳しく解説します。
接触感染対策として、衛生的な環境を維持するための機能性塗装です。人が頻繁に触れるドアノブや手すりなどの表面で、菌の増殖を抑えたり、ウイルスの数を減らしたりします。
次のページでは、「抗菌」と「抗ウイルス」の違いから、光触媒などの仕組み、信頼性の証であるSIAAマークについて分かりやすく解説しています。
製品に関する専門知識や技術が不足すると、色ムラや塗装剥がれが発生し、品質低下やコスト増、納期遅れを招きます。
そういった事態を避けるために、製品に適した塗装技術と設備を持つ会社選びが重要です。
繊細なデザインと塗料の密着性が難しいチタン素材が特徴の鯖江眼鏡※1において実績がある。そこで培われた技術で複雑な形状の小物でも360度ムラ・異物混入なく仕上げる。
他社ではなかなか対応が難しい最大10mの塗装にも対応※2できる設備を備えているため、建材や施設のエントランス、大型家具などにも多彩なカラーや模様塗装が可能。
高膜厚粉体塗料を使用した塗装設備を保有しており、1回の塗装で一般的な塗装のおよそ4~5倍の厚さを形成できるため、キズや摩耗に負けない耐久性の高い塗装が得意。
※1鯖江眼鏡:眼鏡の一大生産地として知られる福井県・鯖江市でつくられる眼鏡。フレームの国内シェア95%以上を誇る
※2「焼付塗装 メーカー」「金属塗装 メーカー」と検索(chrome)し表示される18社すべてのうち唯一10mの製品に対応できる企業(2024年9月25日時点。編集チーム調べ)