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意匠塗装

目次

製品の機能が同質化する中で、消費者の心をつかむのは「見た目の魅力」です。「他社製品と差別化したい」「もっと高級感を出したい」といった課題は、意匠塗装によって解決できるかもしれません。

意匠塗装は、製品に色彩や光沢、特別な質感を与えることで、その価値を飛躍的に高めます。この記事では、意匠塗装の代表的な種類と、それによってどのようなデザインが実現できるのかを分かりやすく解説します。

意匠塗装とは?製品の価値を決める「見た目」の重要性

意匠塗装とは、製品の表面に特定のデザインや質感、美観を与えることを目的とした塗装の総称です。単に色を付けるだけでなく、光沢をコントロールしたり、特殊な模様や手触りを加えたりすることで、製品の第一印象を決定づけ、ブランドイメージを向上させる重要な役割を担います。

例えば、スマートフォンや高級家電の洗練された質感、自動車の深みのあるボディカラーも意匠塗装の技術によるものです。機能性だけでなく、視覚や触覚に訴える「感性品質」を高めることで、製品に新たな付加価値を創造します。工業デザインにおいて、塗装はもはや単なる仕上げではなく、製品の魅力を最大限に引き出すための核心的な技術なのです。

代表的な意匠塗装・コーティングの手法

光沢・輝きで魅せる塗装(メタリック・パール)

光の反射を利用して、製品に華やかさや高級感を与える塗装です。金属的な輝きを持つメタリック塗装は、微細なアルミ片を塗料に混ぜることで、シャープで近代的な印象を与えます。光が当たると粒子がキラキラと輝き、製品の輪郭や曲面を美しく際立たせます。

一方、真珠のような深みと複雑な輝きを持つのがパール塗装です。雲母(マイカ)の粒子が光を多層的に反射・透過させ、見る角度によって色合いが変化する上品な質感を演出します。自動車や化粧品容器、楽器など、より繊細で格調高い高級感が求められる製品に広く採用されています。

色彩・模様で魅せる塗装(キャンディー・マジョーラ)

独特の色彩や模様で、製品に強い個性と特別感を与える塗装です。キャンディー塗装は、下地の色を活かす半透明のカラークリアーを何層も塗り重ねることで、キャンディー(飴)のような透明感と奥行きのある鮮やかな発色を実現します。通常の塗装では表現できない、吸い込まれるような色の深みが魅力です。

対してマジョーラ塗装は、特殊な顔料の働きにより、光の当たる角度や見る角度で全く異なる色に変化して見えるのが最大の特徴です。一つの製品で複数の表情を見せることができるため、「唯一無二」の特別感を演出したい場合に適しています。

質感・手触りで魅せる塗装(マット・レザー調)

視覚だけでなく、触覚にも訴えかけることで製品の質感を高める塗装です。光沢を意図的に消したマット塗装(艶消し塗装)は、光の反射を抑えることで、落ち着いた重厚感や高級感を演出します。しっとりとした手触りで、指紋が目立ちにくいという機能的な利点もあります。

さらに、革製品のような手触りと見た目を再現するレザー調塗装や、梨地のようなザラザラした凹凸をつけるシボ塗装もあり、滑り止め効果を兼ね備えつつ、製品に独特の触感と高級感をもたらします。

自然な風合いを再現する塗装(木目調・石目調)

プラスチックや金属といった無機質な素材の表面に、塗装技術だけで木や石などの自然な風合いをリアルに再現する塗装です。木目調塗装は、特殊な塗料や印刷技術を用いて、本物の木材のような温かみと木目を表現します。自動車の内装パネルや家電製品に用いれば、空間に安らぎと高級感を与えます。

同様に、石目調塗装は大理石や御影石のような重厚で格調高い雰囲気を再現でき、建材や什器などに活用されています。コストや重量の制約で本物の素材が使えない場合でも、デザインの可能性を大きく広げることができます。

自社製品に最適な意匠塗装を選ぶための3つのポイント

実現したいデザインのイメージを明確にする

「高級感」といった抽象的な言葉だけでなく、具体的なイメージを明確にすることが成功の鍵です。色見本や参考製品の写真などを用意し、「どのような光沢で、どのような手触りか」を塗装会社と綿密にすり合わせることで、完成後のイメージギャップを防ぐことができます。

塗装する製品の素材と形状を確認する

意匠塗装は、塗装する製品の素材(金属、樹脂など)や形状(平面、曲面、複雑な凹凸)によって、適用できる工法や必要な下地処理、そして最終的な仕上がりが大きく異なります。事前に製品の素材情報や図面を準備しておくことで、よりスムーズな技術検討が可能になります。

コストと耐久性のバランスを考える

複数の工程を要する特殊な意匠塗装は、一般的な塗装に比べてコストが高くなる傾向があります。また、見た目を重視するあまり、製品の使用環境に対して必要な耐久性(耐摩耗性や耐候性)が不足することも。求めるデザイン性と、製品に求められる品質・コストのバランスを総合的に判断しましょう。

まとめ

この記事でご紹介したように、意匠塗装は製品の価値を大きく左右する重要な要素です。そして、その多彩な表現を実現するには、確かな技術力を持つパートナー選びが欠かせません。

当メディアでは、小物から大型製品、高耐久性が求められる部品まで、【製品別】のニーズに応える特におすすめの工業塗装会社を3社厳選してご紹介しています。こちらも併せて、ぜひ塗装会社選びの参考にしてください。

【製品別】
工業塗装会社おすすめ3選

製品に関する専門知識や技術が不足すると、色ムラや塗装剥がれが発生し、品質低下やコスト増、納期遅れを招きます。
そういった事態を避けるために、製品に適した塗装技術と設備を持つ会社選びが重要です。

細部の仕上がりが
製品価値を左右する
小物系の塗装なら
ワカヤマ
ワカヤマ公式
画像引用元:ワカヤマ公式(https://www.wakayamapp.jp/result/entry-1492.html)

繊細なデザインと塗料の密着性が難しいチタン素材が特徴の鯖江さばえ眼鏡※1において実績がある。そこで培われた技術で複雑な形状の小物でも360度ムラ・異物混入なく仕上げる。

こんな塗装におすすめ
  • 日用品
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サイズが原因で塗装が
難しくなる場合がある
大型系の塗装なら
小林焼付塗装
小林焼付塗装公式
画像引用元:小林焼付塗装公式(https://paint-kyt.co.jp/painting/79/)

他社ではなかなか対応が難しい最大10mの塗装にも対応※2できる設備を備えているため、建材や施設のエントランス、大型家具などにも多彩なカラーや模様塗装が可能。

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過酷な環境への耐久性が
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部品系の塗装なら
丸成金属塗装
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画像引用元:丸成金属塗装公式(https://marusei-tosou.com/125/)

高膜厚粉体塗料を使用した塗装設備を保有しており、1回の塗装で一般的な塗装のおよそ4~5倍の厚さを形成できるため、キズや摩耗に負けない耐久性の高い塗装が得意。

こんな塗装におすすめ
  • 自動車部品
  • 電子機器

※1鯖江さばえ眼鏡:眼鏡の一大生産地として知られる福井県・鯖江市でつくられる眼鏡。フレームの国内シェア95%以上を誇る

※2「焼付塗装 メーカー」「金属塗装 メーカー」と検索(chrome)し表示される18社すべてのうち唯一10mの製品に対応できる企業(2024年9月25日時点。編集チーム調べ)

   
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