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碁盤目試験

目次

工業塗装において、塗膜がどれだけしっかりと母材に密着しているかを確認することは、外観品質や耐久性を評価するうえで欠かせません。その密着性を簡便かつ定量的に確認する代表的な試験が「碁盤目試験(クロスカット試験)」です。

ここでは、工業塗装の品質評価で広く用いられている碁盤目試験について、基本的な考え方から目的、具体的な試験方法まで、初めての方にもイメージしやすいように解説します。

碁盤目試験とは

碁盤目試験とは、塗膜表面にカッターなどで一定間隔の切り込みを縦横に入れて格子状にし、その上から粘着テープを貼って剥がすことで、塗膜がどの程度母材に密着しているかを確認する評価方法です。切り込みの形が「碁盤模様」に見えることから、この名前で呼ばれています。

JIS K 5600シリーズなどの規格にも定義されており、塗膜の密着性を簡便に比較できる試験として、自動車部品、家電製品、精密機器、建材など、さまざまな分野で利用されています。目視判定が中心ですが、「どのマス目まで剥がれが進行しているか」や「剥がれた面積の割合」を基準化することで、複数の塗装条件や塗装会社の品質を比較することができます。

専用の碁盤目カッターやマスキングガイド、規格に対応した粘着テープを用いることで、担当者が変わっても評価結果のばらつきを抑えられるように工夫されています。

試験の目的

碁盤目試験の最も大きな目的は、塗膜が使用中の環境で容易に剥がれないだけの密着性を持っているか確認することです。塗膜がしっかり密着していなければ、衝撃や温度変化、湿気、薬品などの影響によって、短期間で剥離や浮き、割れといった不具合が発生してしまいます。

特に、外装部品や手で触れる頻度の高い部品、摩耗や振動が生じる部品では、塗膜の剥がれが外観不良やクレームにつながるだけでなく、機能不良や安全性の低下を招くおそれがあります。そのため、量産前の試作段階や、塗装条件変更時の評価、塗装ラインの立ち上げ時などに、碁盤目試験で密着性を確認しておくことが品質保証上の重要なチェックポイントとなります。

また、前処理条件(脱脂・化成処理など)や下地材質の違いによって密着性がどのように変化するかを比較する用途にも有効です。塗料メーカーや塗装会社にとっては、自社の塗装仕様がどの範囲まで安定した密着性を発揮できるかを把握するための定番試験と言えます。

試験方法

碁盤目試験の方法
引用元HP:ニシザキ工芸「塗装部」
https://nishizaki-tosoubu.blog.jp/archives/24053101.html

碁盤目試験の方法は規格によって細かな条件が定められていますが、基本的な流れは共通しています。ここでは一般的な実施手順のイメージを説明します。

まず、規定の条件で塗装された試験片(または製品そのもの)を準備し、規格で指定された期間だけ養生します。そのうえで、専用の碁盤目カッターや定規とカッターを用いて、塗膜に一定間隔で平行な切り込みを入れていきます。続いて同じ間隔で直角方向にも切り込みを入れ、小さな四角形が並んだ格子状のパターンを作ります。

切り込みの深さは、母材に届く程度までしっかり入れることが重要です。浅すぎると塗膜がきちんと分割されず、正確な評価ができません。その後、規定の粘着テープを試験部に密着させ、指やゴムローラーで押さえてから、決められた角度と速度で一気に剥がします。このとき、格子状に分割された塗膜のうち、どの程度がテープ側に剥がれてしまうかを観察します。

試験後は、格子のマス目の残り方や剥離の状態を目視で確認し、規格に定められた基準に従って等級を判定します。マス目がほとんど残っている状態であれば高評価となり、多くのマス目が剥がれている場合は密着性が不十分と判断されます。製品仕様書や図面で「碁盤目試験○級以上」といった基準を設けておき、量産時にも同じ等級を維持できているかを定期的に確認することで、塗装品質の安定化につなげることができます。

まとめ

碁盤目試験は、塗膜の密着性を手軽かつ再現性良く評価できる、工業塗装における基本的な品質試験のひとつです。専用のカッターと粘着テープを用いるだけで、前処理条件や塗料の種類、塗装条件の違いが密着性に与える影響を比較できるため、試作段階から量産立ち上げ、量産中の抜き取り検査まで、幅広い場面で活用されています。

塗装仕様を検討する際には、外観や色味だけでなく、このような密着性評価の結果も含めて総合的に判断することが大切です。塗装会社に依頼する場合は、碁盤目試験などの品質試験を自社で実施しているか、どの等級を合格基準としているかを確認しておくことで、より安心してパートナー選定が行えます。

工業塗装の品質を安定させたいメーカーや開発担当者は、密着性試験を含む品質保証体制が整った塗装会社と組むことが重要です。どの会社に相談すべきか悩んでいる方は、用途や製品ジャンルに合わせて選べる工業塗装会社おすすめ3社も、ぜひあわせてチェックしてみてください。

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